ご祝儀1万円は失礼?
ご祝儀1万円が失礼かどうかは、披露宴に出席するかどうかで答えが変わります。 出席するなら、1万円は料理と引出物の費用を下回るため少ないと受け取られがちで、3万円が一般的です。 一方で、欠席してお祝いだけ贈る場合や、披露宴のない食事会の場合などは、1万円で問題ありません。 この記事では、1万円でよい場面とそうでない場面を整理します。
出席するなら1万円は少ない理由
披露宴のご祝儀は、料理・飲み物の代金と引出物の代金に、お祝いの気持ちを足した金額と考えられています。 一般的な披露宴では、料理と引出物だけで招待客1人あたり2万円前後かかるとされます。 そのため1万円だと、新郎新婦が負担する費用を下回ってしまい、「少ない」と受け取られやすいのです。
逆に言えば、3万円という金額は「実費に1万円ほどのお祝いを足した額」として定着しています。 友人・同僚・上司など、関係が違っても出席なら3万円が並ぶのはこのためです。
関係別の最多回答額(調査結果)
全日本冠婚葬祭互助協会のアンケート(平成29年度)による、新郎新婦との関係別のご祝儀の最多回答額と平均額です。
| 新郎新婦との関係 | 最多回答額 | 平均額 |
|---|---|---|
| 兄弟姉妹 | 50,000円 | 54,676円 |
| 叔父・叔母 | 50,000円・100,000円 | 72,711円 |
| 従兄弟・従姉妹 | 30,000円 | 39,434円 |
| その他の親戚 | 30,000円 | 57,268円 |
| 勤務先の上司 | 30,000円 | 33,872円 |
| 勤務先の同僚 | 30,000円 | 28,424円 |
| 勤務先の部下 | 30,000円 | 28,925円 |
| 取引先関係 | 30,000円 | 28,333円 |
| 友人・その家族 | 30,000円 | 29,598円 |
親族を除くすべての関係で、最も多い回答は3万円でした。1万円が最多になる関係は一つもありません。 平均額が3万円をわずかに下回る関係があるのは、2万円などで包む人が一定数いるためです。
1万円でよい5つの場面
料理や引出物が発生しない場面では、1万円は十分な金額です。
| 場面 | 1万円で問題ない理由 |
|---|---|
| 招待されたが欠席する | 料理・引出物の実費がかからないため。出席時の3分の1程度が目安 |
| 招待されていないが、お祝いを贈りたい | 実費がなく、純粋なお祝いの気持ちとして贈るため |
| 入籍のみで式を挙げない | 披露宴がないため。1万円前後か品物が一般的 |
| あなたが学生 | 収入がないことは相手も承知している。友人と連名にまとめても失礼にはあたらない |
| 二次会のみの参加 | 二次会は会費制が一般的で、ご祝儀は不要。別にお祝いを渡すなら1万円以内で十分 |
なお、会費制の結婚パーティーでは、ご祝儀ではなく案内に書かれた会費をそのまま払います。 会費とは別に1万円を包むと、かえって主催者を戸惑わせることがあります。
連名で包む場合
学生同士や若手の同僚同士で、何人かでまとめてご祝儀を包むこともあります。たとえば3人で1万円ずつ出し合えば、合計3万円です。 この場合は1つの祝儀袋に入れ、表には全員の名前を並べます(4人以上なら代表者の名前と「外一同」)。 合計が4万円や6万円になるときは、偶数や「4」を避けて3万円か5万円に調整し、端数は品物に回すと収まりがよくなります。
1万円を包むときの袋とお札
- 祝儀袋:水引が印刷されたシンプルなものか、紅白の水引がかかった一般的なもので十分です。 金銀の豪華な袋は、中身と釣り合わないため避けます。
- 水引:結婚祝いは紅白または金銀の「結び切り」か「あわじ結び」。蝶結びは使いません。
- お札:1万円札1枚を、肖像が袋の表側・上になる向きで入れます。折り目のない新札を用意します。
- 中袋の金額:「金壱萬圓」と大字で書きます。
祝儀袋の書き方や受付での渡し方は、ご祝儀の渡し方で手順を追って解説しています。
1万円しか用意できないとき
出席するけれど、どうしても1万円しか包めない。そういう事情は誰にでもあり得ます。 無理をして生活に響くような金額を包むより、気持ちの伝え方を工夫するほうが、相手にとってもうれしいものです。
- メッセージを添える:二人との思い出や、これからを祝う言葉を手書きで添えます。
- 品物を加える:後日、新生活で使える小さな贈り物をすると、金額の差を気にさせません。
- 友人と連名にする:学生同士などで、複数人でまとめて包む方法もあります。
- 2万円にする:1万円では心苦しいが3万円は難しい場合、2万円は「ペア」を表すとして許容されるようになっています。
関係と年代から金額の目安を確かめたいときは、ご祝儀の相場診断が使えます。
よくある質問
友人の結婚式に出席して、ご祝儀1万円しか用意できません。失礼でしょうか?
一般的な相場より少ないのは確かですが、事情があるなら無理をする必要はありません。学生や社会人になったばかりで余裕がない場合は、1万円に心のこもったメッセージを添えるか、後日ささやかな贈り物を加える方法があります。親しい友人なら、事情を察してくれることがほとんどです。
1万円を1万円札1枚で包むのと、5千円札2枚で包むのは、どちらがいいですか?
1万円札1枚にします。5千円札2枚だと枚数が偶数になり、「割れる」を連想させるとして気にする人がいるためです。枚数を奇数にする工夫は、2万円を包むとき(1万円札1枚と5千円札2枚)に使われます。
1万円のご祝儀に、金色の豪華な祝儀袋を使ってもいいですか?
中身と袋の格が釣り合わないため、避けたほうが無難です。1万円程度なら、水引が印刷されたシンプルな祝儀袋か、紅白の水引がかかった一般的なもので十分です。
参照した資料
- 全日本冠婚葬祭互助協会「結婚式のマナー」「調査結果」の表(平成29年度アンケートの関係別の最多回答額・平均額)と、偶数を避けつつ2万円は構わないという説明の出典です。
金額の目安は一般的な慣習に基づくもので、地域や家ごとの取り決めによって異なる場合があります。調査結果は平成29年度のもので、現在の金額とは異なる可能性があります。